ロバート・グラスパー
1978年4月6日、テキサス州ヒューストン生まれ。ピアニスト、作編曲家。 ヒューストン出身のグラスパーは、一貫した文化的メッセージを発信しながら、音楽と映画の両方で芸術性を発揮し、豊かなキャリアを築いてきている。2012年に発表したアルバム『ブラック・レディオ』は、史上初めて4つのジャンルのチャートで(ヒップホップR&B、アーバン・コンテンポラリー、ジャズ、コンテンポラリー・ジャズ)同時にトップ10入りした史上初のアルバムとして話題になった。この偉業は、『ブラック・レディオ 2』でも達成された。
母親の影響で、一家が住む教会でピアノを弾き、ゴスペルやジャズ、ブルースといった音楽に触れる。青年期に入り、ヒューストンの有名なハイスクール・フォー・ザ・パフォーミング・アーツへ入学。卒業後、マンハッタンのニュー・スクール・ユニヴァーシティに入学。在学中にクリスチャン・マクブライド、ラッセル・マローン、ケニー・ギャレットなどとギグを行う。その後、ニコラス・ペイトン、ロイ・ハーグローヴ、テレンス・ブランチャード、カーメン・ランディ、カーリー・サイモン、ビラル、Qティップ、モス・デフなど、ジャズ~ヒップ・ホップまで幅広い分野の面々と共演する。
2003年、デビュー・アルバム『モード』(フレッシュ・サウンド・ニュー・タレント)をリリース。 2005年、ブルーノートと契約。同年、移籍第1弾『キャンバス』をリリースし、ジャズやゴスペル、ヒップホップ、R&B、オルタナティブなロックなどのエッセンスを取り入れた革新的なスタイルで、各方面から高い評価を得る。 2007年、ジャズとヒップホップを結びつける究極のピアノ・トリオ作『イン・マイ・エレメント』を発表し、ブルーノートの新世代ピアニストとしてさらに注目を浴びる。 2012年にエクスペリメント名義で発表した『ブラック・レディオ』でジャズ、ヒップホップ、R&Bを融合させた新たな音楽の可能性を示し、第55回グラミー賞最優秀R&Bアルバムを受賞。 2020年、新プロジェクトで『Fuck Yo Feelings』を発表。さらにH.E.Rとミシェル・ンデゲオチェロをフィーチャーした「Better Than I Imagined」で第63回グラミー賞最優秀R&Bソングを獲得。自己のトリオやR+R=NOWなど多彩なプロジェクトを展開し、いずれも高評価を獲得している。
2022年に『Black Radio III』をリリース。第65回グラミー賞2部門にノミネートされ、最優秀R&Bアルバムを受賞した。
グラミー賞通算13回ノミネート、5度受賞。2017年、エヴァ・デュヴェルネ監督のドキュメンタリー映画『13th』(コモン、カリーム・リギンス出演)に提供した楽曲「Letter to the Free」でエミー賞受賞。