2008

2008年のSUMMER SONICはずばり「UKイヤー」だった。なにしろスタジアムのヘッドライナーがコールドプレイとヴァーヴで、インドアのMOUNTAIN STAGEはセックス・ピストルズとファット・ボーイ・スリム、そしてSONIC STAGEはポール・ウェラーとジーザス＆メリー・チェインという、見事なUK勢のロイヤルストレート・フラッシュだったのだ。

コールドプレイのヘッドライナーは彼らの世界規模の人気と評価に日本でのスケール感が追いついた記念すべきステージとなり、ヴァーヴは2度の解散と再結成を乗り越えて遂に、遂に実現したこちらもメモリアルな初来日公演となった。

再結成・再始動と言えばセックス・ピストルズとジザメリもまさにそうで、そこにさらにプロディジーやスーパー・ファーリー・アニマルズら人気バンドも加わり、UKロック・ファンにとっては二重三重にサプライズが重なったとんでもない年だった。

そんなUK勢のラッシュに加えて、2008年はヴァンパイア・ウィークエンドやMGMTら有望な新人勢が多数エントリーし、サマソニの10周年を前に5年先を見据えて種を撒いた年だったとも言える。施設面では前年オープンのSEASIDE VILLAGEでのテント宿泊が可能になり、都市型フェスとしてのサマソニに新たな側面、リゾート型、滞在型フェスの可能性が生まれた年でもある。